日本財団 図書館


(3)ウインチ曳航の操縦上の要点
曳航速度曳航中の上昇速度は非常にたいせつで、曳航中の安全性を保つには、この速度を厳重に守らなければならない。特に、上昇の初期から上昇限度に近い範囲の飛行には、索に取り付けられたヒューズの破断荷重以上に自機の全備重量がかかるので、機体にかかる荷重は翼面荷重が限界となる。そのときの迎角、すなわち揚力係数が一定していれば、速度計によって、限界が十分に判定できる。この速度以内の安全速度を保持できれば安全である。パイロットは、自機の速度計の読みをウインチ側に連絡しつつ上昇し、ウインチドライバーも、無線で受信した曳航速度を調整して、グライダーの安全速度を保つことができる。
安全速度というのは、ヒューズの破断荷重の0.7以内で上昇する速度で、そのときの実際の飛行速度は、機体によって異なる。基本的には次のようになる。
グライダーが離昇してから、飛行径路の前半(A飛行区域)では、3−32図からわかるように、曳航索の張力の方向と機体の重量の方向とが900近く離れているので、その合力Fは小さい。合力が小さいことは、そのときの翼面荷重が小さいので、機体に対してよりも、むしろ、曳航する装置や曳航索等に大きい荷重が

122-1.gif

122-2.gif

122-3.gif

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION